治療紹介かみ合わせ

かみ合わせ

2026年10月15日

両側とも噛めている症例と噛めていない症例の比較※重要※

左右が均等にしっかりと噛めている患者様と噛めていない患者様の場合、症状の現れ方も異なりますが、実際にCT上でも大きく骨の状態が違っています。
今回は噛めている方と噛めていない方を比較した2症例をご紹介します。

症例①

CT

【患者様に関する情報】
・69歳 男性

治療方針

●天然歯の大臼歯部の右下左上の欠損があったので、インプラントを埋入しています。インプラントを入れたことで垂直的な顎間距離(上下の距離)を維持ができ、顎関節にかかる異常な負荷を軽減していると考えられます。

顎関節CT画像の矢状断面

術前の矢状断面

通常は奥歯がなくなると、顎が後方にずれて、上下の顎間距離が短くなります。
それを防ぐために、大臼歯部にインプラントを入れて顎が後ろにズレない位置で下顎を固定しています。

顎関節CT画像の前頭断面

術前の前頭断面

顎関節を前から見たときの断面図です。
この患者様は夜間にブラキシズムの癖があるため、特に左の関節窩の内側面に一部骨の吸収が認めます。そのため普段は、顎の閉じる筋肉を伸ばしてあげることで筋肉の緊張をほぐすストレッチを朝昼晩に行っていただいております。

また、食事以外では意識的に上下の歯牙が接触しない位置に顎を誘導するようにすることで、関節にかかる負荷や筋肉の異常な緊張を防ぐ役目があります。

歯の接触面から噛み合わせの状態を見る

正面から見た接触面
噛みしめた際に左右両方の臼歯部が均等に接触している状態が分かります。
右側に誘導した接触面
右側は犬歯が接触していますが、左側は全く接触していないことが分かります。
左側に誘導した接触面
左の犬歯が少し接触していますが、反対側は全く接触していないことが分かります。

普通に噛みしめた場合は両方が均等に接触しているのが通常です。
偏心位(右側・左側)に動かした場合、右側に動かした時は右側の犬歯が当たり、左側に動かした時は左側の犬歯が当たるのようなバランスを作ることによって、関節や筋肉にかかる負荷を軽減します。
このバランスになるように調整しているため、関節自体の骨吸収や変形が起こっていないと考えられます。

症例②噛めていない症例

CT

【患者様に関する情報】
・73歳女性
・右上と左下の大臼歯欠損
・右顎の関節痛
・上顎の前歯が食事時にあたると痛みがでる

治療方針

●これ以上関節に負荷をかけたくないので、夜間は上顎のみに入れ歯を入れていただきました。また下顎は左上の大臼歯と当たるようにマウスピースを装着し、左右の大臼歯部が両側とも接触し下顎位が低位ならないように維持することで関節への負荷を減少させようと考えました。
●症状として上顎の前歯が食事中にあたり痛みが出ておられたので、昼間は上下に入れ歯を入れて、入れ歯で両側の臼歯部が接触した状態で食事ができるようにしています。
奥を上げて前歯が当たらないよう臼歯部の高さを維持するために、上下に入れ歯を装着し食事をしていただいております。

顎関節CT画像の矢状断面

術前の矢状断面
噛んだ時に第二小臼歯までしか噛めていないので、関節へ持続的に非常に強い負荷がかかり左右両方ともの関節が変形した状態になっています。

顎関節CT画像の前頭断面

術前の前頭断面
・両側とも関節頭が吸収して正常な関節の形を成していません。
・これはかなり長期間に渡って、持続的に関節に負荷がかかったことが原因だと思われます。
・今後さらに関節の骨の吸収を防ぎ、できれば再度、関節上部に骨添加(骨に新しい骨の組織が作られ、付け加わっていくこと)がされることを期待して、左右の臼歯部が同時に接触する高さを維持しています。
・特に夜間は下顎にマウスピースを入れることによって、上下義歯を入れたときよりもさらに上下顎関距離を1.5mmほど上げています。
そうすることで、関節にかかる負荷を軽減し、骨の添加を期待します。

2つの症例の考察

●左右の大臼歯部を対照的に第二大臼歯までしっかり噛ませることによって、結果として関節の変形や顎のズレを防ぐことになります。
●そのための、手段としてインプラントが非常に有効になりますが、初診時にもし上顎骨に対して下顎骨が左右前方方向にずれがあれば、まずマウスピースによる顎位の変異の修正が必ず必要になります。インプラントを入れた場合、暫間補綴物を入れてさらにその上からマウスピースを装着することで、より細かな顎位の修正かつ、偏心位(右側・左側)にずらした時にずれた方向に犬歯が顎の動きを誘導する(犬歯誘導)のバランスを作ることができます。これが非常に大事になります。

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