治療紹介入れ歯

入れ歯

2013年12月4日

上顎の口蓋が異常に深く、印象が難しい御高齢の症例

この症例に関しては、上顎の内側自体が上に深く、普通の型取りでは入れ歯を密着させるのが難しいため、モデリングコンパウンドという固めの印象材を使ってまず仮の型を取ります。それをお湯の中で柔らかくした後、その印象材のモデリングコンパウンドが上顎の一番深い溝に密着するまで数回に渡ってお口の中で加圧を繰り返します。

モデリングコンパウンドが上顎の顎堤に全面密着してから、さらに内面にラバー系の印象材により型取りをしました。

 

25年11月 入れ歯を再生されに再来院されました。85歳男性

無歯顎の上下の型取りをして、石膏で模型を作ります。

無歯顎の上下の型取りをして、石膏で模型を作ります。

 

下顎の模型に板状の装置をつけます。

下顎の模型に板状の装置をつけます。

 

上顎に少し太めの針が付いた装置をつけます。

上顎に少し太めの針が付いた装置をつけます。

 

咬む位置を正確に測定します

咬む位置を正確に測定します患者さんのお口の中に装置を入れて、小さくカチカチしてもらいます。
そうすることで、上顎の針が下顎の板に当たって、左右、前後の咬む位置を正確に測定します。

 

 

下顎を前に出した時に左右の関節の動きを測定し、関節の動く角度を下の写真の咬合器上で調整します。

 

石膏の模型を咬合器に装着します

石膏の模型を咬合器に装着します石膏の模型を、上下の位置関係を再現した状態で咬合器(顎と同じ運動をする機械)に装着します。
上の写真の方法で測定した関節の動きの角度と同じになるように咬合器を調整することによって、咬合器が患者さんの顎の動きと同じ動きをするようになります。
同じ動きになった咬合器上で人工歯の排列を行います。

 

今晩、上下総義歯の人工歯の排列をします。

再度噛み位置の記録を取り直しました80代の男性なので、上顎前歯の形態を四角く(方形型)にし、歯の向きを少し回転させて男性らしさを表現しています。

上顎前歯の人口歯の形態は、性別、顔貌、年齢によって、変えていきます。

また、歯の先端部分も新しい人口歯のまま配列するのではなく、年齢によって摩耗したように削合します。そうすることによって、その人自身の歯のように見えかつ、口元も自然になるのです。

 

セラミックの歯を一本ずつ口元に合うように並べていきます

セラミックの歯を一本ずつ口元に合うように並べていきます。石膏の模型を、上下の位置関係を再現した状態で咬合器(顎と同じ運動をする機械)に装着した後の工程です。

セラミックの歯を一本ずつ口元に合うように
並べていきます。

 

 

セラミックの歯を削って調整していきます

セラミックの歯を削って調整していきます上顎の歯を並べてから、左右前後に動かしても
個々の歯が引っかからないように、セラミックの歯を削って調整していきます。

 

 

 

 

下の入れ歯がスムーズに動くように調整します

下の入れ歯がスムーズに動くように調整しますセラミックの歯を削って 調整した後の工程です。

上下のセラミックの歯の間に、洗い磨き砂を入れて、下の入れ歯がスムーズに動くように調整します。

 

 

細かな磨き砂でセラミックの歯の表面を磨きます

細かな磨き砂でセラミックの歯の表面を磨きます下の入れ歯がスムーズに動くように調整した後の工程です。

下の入れ歯がスムーズに動くようになれば、
細かな磨き砂でセラミックの歯の表面を磨きます。

 

 

出来上がったワックスの入れ歯をフラスコに埋没します

出来上がったワックスの入れ歯をフラスコに埋没します。細かな磨き砂でセラミックの歯の表面を磨いた後になります。

出来上がったワックスの入れ歯を、樹脂に変えるためのフラスコに埋没します。

 

 

 

圧力をかけて樹脂を流し込みます。

フラスコ内のワックスを熱湯で溶かし、その中に圧力をかけて樹脂を流し込みます。フラスコ内のワックスを熱湯で溶かし、その中に圧力をかけて樹脂を流し込みます。
約75度8h以上、圧をかけたまま少しずつ樹脂を固めていきます。
その後、1日かけてゆっくり冷やしていきます。
樹脂は、高温に上げて急冷すると変形をきたしてしまうので、お口の中に合わなくなってしまいます。
その為に、このような手順を踏んで義歯を作成していきます。

 

 

 

約1日かけてゆっくり冷やします

約1日かけてゆっくり冷やします約75度8時間以上かて樹脂を注入し、約1日かけてゆっくり冷やします。
完全に温度が室温に下がったところで、埋没してあった石膏を少しずつ取り除きました。
上顎の入れ歯が同様に出来上がった段階で、上下の入れ歯を歯を並べた機械(咬合器)に装着し、再度かみ合わせの誤差を調整します。

 

 

かみ合わせの誤差を再度調整します

かみ合わせの誤差を再度調整します樹脂に置き換わった義歯を、咬合器(噛み合わせを見る機械)につけて、かみ合わせの誤差を再度調整します。
今週、患者さんに装着予定です。
お口の中に入れて、数日お食事をして使って頂いてから、細かな調整を、約1ケ月ほどかけて調整していきます。
これは、その人の噛みぐせや入れ歯の不都合を、患者さんのお口の中に合わせていかなければ、その人のお口に合った入れ歯にならないのです。

 

再度噛み位置の記録を取り直しました

再度噛み位置の記録を取り直しました入れ歯を患者さんに装着してみたのですが、かみ合わせが前後に僅かにズレが出たために、再度噛み位置の記録を取り直しました。
患者さんの頭の前後的な位置によって、噛む位置が前後にズレが生じやすく、今回はすべての陶歯を外し並べ直しをしました。
同じように、樹脂を注入し再製しました。
咬み合せの記録をとるときは、食事の時の頭の位置のように、僅かに前傾した位置で記録を取り直しました。また、下顎のオトガイ部を軽く術者が抑えて小さく上下運動し、噛み位置がずれないことを確認してから記録をとりました。12月26日に二度目の装着予定です。

 

装着されました

新しく作製した入れ歯が、今日26日AMに装着されました。
入れ歯の調整も無く、かみ合わせもしっかり合い、始めは柔らかいものから慣らしていただきます様に、指導して帰えっていただきました。本当の入れ歯の成果は、次回来られた時の患者さんの入れ歯の使い心地が入れ歯の成果と思います。

喜んで頂く事を期待したいです。

 

治療後は、接触点が増え右下の咬合力の増加が確認できます

咬合力の増加 咬合力の増加

上下の歯牙の接触点の強弱と
左右の咬合力を受けるバランスの測定
左側は治療前。 右側は治療後
治療後は、接触点が増え右下の咬合力の増加が確認できます。

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