治療紹介かみ合わせ

かみ合わせ

2015年2月20日

左下臼歯部欠損、右咬み・歯ぎしりの癖、右側顎関節痛がある患者様のケース

平成23年7月15日に来られた新患の患者様

平成23年7月に新患でご来院されました。左下臼歯部欠損、右咬み・歯ぎしりの癖、右側顎関節痛があり、下記の症状に悩んでおり、当院への通院を決断されました。

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【患者様に関する情報】
基本情報:62歳の男性
初来院:平成23年7月15日
病状:左下臼歯部欠損、右咬み・歯ぎしりの癖、右側顎関節痛、全体的に歯肉が痩せてきている

【症状】
・右の顎ががくがく音がする
・夜も眠れないので睡眠前に安定剤を飲んでいる
・食事をする際に右側顎関節が痛い
・耳鳴りがする

 

治療経過
平成23年10月頃 【入れ歯とマウスピースの着用】

入れ歯を入れると同時に上の歯にマウスピースを着用し、噛み合わせの高さを上げました。その結果、右側の関節痛が軽減されました。

【治療後の動向】

A様はゴルフが趣味で、休日にゴルフをしに出かけたそうです。その昼食のタイミングでトラブルが発生。食べようとしても右顎が痛くて食べられない!という症状が出ました。左下臼歯部が欠損しているため、右側に圧力がかかっていたことが原因と予測されます。

平成23年11月頃 【プラスチックの歯の高さ調整】

左側の入れ歯の歯はプラスチック製のため、咬むことで高さがすり減ってしまっていました。その対策として入れ歯の歯の噛む面に金属を貼り、高さを維持できるように調整しました。

平成24年7月頃【CT撮影】

CTで患部の撮影を行った結果、下顎が右後ろにずれて(下がって)いることによる骨レベルの変形を確認。それが原因で根本的に噛み合わせの高さが低い状態となっていることが判明しました。

そのために、本来は関節窩の中央に関節頭がないといけないのが、完全に後方にずれていることが確認できました。

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右側顎関節の側方から見たCT画像

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左側顎関節の側方のCT画像

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右側顎関節の正面のCT画像

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左側顎関節の正面のCT画像

右関節頭の上部に骨の突起状のものが見られます。また、左の関節頭上部は白い線が消えて、骨が吸収されている様子がうかがえます。

平成24年10月初頭【マウスピースを製作】

下顎がずれないように、関節圧がかからないように下顎の左下欠損部も含めたマウスピースを製作し、装着していただきました。
圧力がなくなったことにより、関節痛が楽になったと声をいただきました。

平成24年10月10日【経過観察】

関節雑音はなるものの、痛みがなくったとのお声をいただきました。

平成24年11月14日【経過観察】

顎の動く量が大きくなったようです。関節雑音はなるものの、引き続き痛みはないとのお声をいただきました。

平成25年4月頃【開口訓練開始】

開口訓練を開始しました。開口量が40mmと以前よりも大きくなりました。

平成25年6月【経過観察】

右側の顎関節雑音も小さくなり、開口時の痛みも徐々に少なくなりました。

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右側顎関節の側方から見たCT画像

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左側顎関節の側方のCT画像

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右側顎関節の正面のCT画像 

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左側顎関節の正面のCT画像 

平成26年1月【経過観察】

ガムやお寿司も食べられるまでに回復しました。ただし、寝る時やスポーツ時はマウスピースの着用を徹底してもらいました。

平成26年11月【経過観察】

その後は痛みもなく、調子がいい状態が続いています。関節も右後ろに下がった状態から正常な位置に戻りました。

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右側顎関節の側方から見たCT画像

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左側顎関節の側方のCT画像

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右側顎関節の正面のCT画像
画像関節頭の上部にあった突起が吸収されてなくなっています。

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左側顎関節の正面のCT画像
関節上部に新しく骨が再生され、白線の連続が見られます。白い線が見られるということは関節上部の表面に骨が再生され、治癒傾向に入ったとみられます。

治療の総括

こちらの患者様は骨隆起があったことから、もともと歯ぎしりが強いという特徴がありました。さらに右咬みの癖があったため、関節の変形がひどくなっていました。顎の骨にあってはならない突起があり、噛み合わせも悪いため、このような変形が起こっていたと判断しています。マウスピースでの治療後、突起部分の骨が吸収されたことによって正常に近い形になってきました。

右側顎関節の側方から見たCT画像

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左側顎関節の側方のCT画像

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右側顎関節の正面のCT画像

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左側顎関節の正面のCT画像

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